人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

研究者ら受け入れ対応、外国人視点で要点解説(奥州市国際化推進員のトーマスさん)

投稿者 : 
tanko 2014-12-5 13:20
Preparing for Researchers, Explained from Foreign Person`s Viewpoint (Oshu City ILC Internationalization Coordinator)
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2014120500

 奥州市のILC国際化推進員を務めるアンナ・トーマスさんは3日夜、水沢区内で講演。4年ほど前から日本に暮らしている外国人市民の1人として、さまざまな体験談を交えながら、ILC(国際リニアコライダー)実現によって想定される外国人研究者やその家族の受け入れをどうすべきか、ポイントを解説した。
 水沢日本外交協会(亀卦川富夫会長)第102回講演会に招かれたトーマスさん。「ILCの実現に向けて―誘致を見据えた今後の取り組み―」をテーマに、トーマスさんや市ILC推進室の及川健室長ら3人が講演した。
 米オレゴン州出身のトーマスさんは、今年10月1日付で同推進員(非常勤特別職)に任命された。国際研究都市を目指す上で必要な情報収集や外国人研究者との人的ネットワークの構築などを進めている。
 約60人が聴講する中、トーマスさんは「外国人市民が困った場面」として▽バスで違う目的地に行った▽風邪をひいたのに歯科医院に行った▽引っ越したら前のアパートの光熱費をそのまま払い続けていた――など、県内で実際にあった例を紹介した。日本語の看板や書類が理解できないことに加え、日本と海外との制度や習慣の違いなどが、トラブルや間違いの背景にあるという。
 トーマスさんは「来日したばかりの外国人は、生活習慣も分からないし頼れる人も身近にいない。地域の中で孤立している」と指摘。「日本での生活に慣れている外国人市民が、来日間もない外国人を支えてあげるような仕組みが必要かもしれない。日本人の皆さんも外国人は何に困っているのか学んでほしいし、外国人へ向けた情報発信を積極的にしてほしい」と呼び掛けた。

写真=地域における外国人の受け入れについて講演するアンナ・トーマスさん
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