人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国際研究都市形成、鍵握る医療通訳(胆沢病院で勉強会)

投稿者 : 
tanko 2014-12-1 16:20
Medical Interpretation Key to Forming an International Research City: Study Meeting at Isawa Hospital

In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2014120100

 県立胆沢病院(松本登院長)でこのほど、国際リニアコライダー(ILC)に関する勉強会が開かれた。医師や看護師ら約60人が計画の概要や国際都市形成に伴う医療機関としての役割について理解を深めた。医師からは「医療通訳の常駐は可能か」といった質問もあった。
 同病院と奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)が主催。ILC実現に向けた県の取り組みが紹介されたほか、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の横谷馨名誉教授がILC計画の概要について解説した。
 県の取り組みについては、県科学ILC推進室の担当者が「ILC庁内ワーキンググループ」に設けられた医療分科会での協議状況を説明した。
 同分科会が県内医療機関に実施したアンケートによると、54%の施設が「医療通訳が必要」と回答。また、外国人の受け入れが可能であっても「事務職員や会計担当が英語などを話せない可能性がある」という声もあった。
 医療通訳は、医療処置を必要とする外国人来訪者や外国人市民と、医師など医療機関側との間に入りコミュニケーション支援を担う。語学力だけでなく、国内外の医療・保険制度や風習、文化など多様な専門知識が必要となる。
 現状では外国人市民の数自体が少ないことに加え、既に日本語をマスターし生活している人、日本人家族のサポートを受けている人もいるため、医療通訳が活躍する場面は限られている。しかしILCが実現すれば、地域の国際化が進み、医療通訳を担う人材の育成・確保は重要になってくるという。
 出席した医師からは「病院に医療通訳を常駐させるような計画は県にあるか」「現状でも救急医療体制はどこの病院も大変。マンパワーを増やしてほしい」などの質問や要望があった。
 KEKの横谷名誉教授はILC計画の概要を解説しながら「研究者のほか、その家族も海外から来るので、彼らの暮らしを支える学校や病院が必要になるだろう」と話した。

写真=医師や看護師らにILC計画の概要を説明する横谷馨名誉教授(県立胆沢病院)
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