人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC実現に全庁挙げ 奥州市、体制構築を検討(模索へ市長や部課長級がKEK視察へ)

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tanko 2014-10-29 5:20
 国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を目指す奥州市は、教育や産業、都市整備関連部署など既存の庁内部署においてもILCを意識した独自事業を創出し、市組織全体で誘致関連の動きを強化しようとしている。ILC推進室を中心とした対応だけでは限界があるため、ILC関連事業を統括する組織を設置しながら、全庁的な取り組みを進める体制を構築したい考えだ。体制づくりの足掛かりとして小沢昌記市長や主要部課長級職員らは30日から2日間、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK、鈴木厚人機構長)などを視察する。
(児玉直人)

 ILC誘致に関して奥州市はこれまで、総務企画部内の同推進室が中心となり、県や国、関連団体との調整、市民へのILC周知事業などを進めてきた。
 ただ、ILCに関連する取り組みは多岐にわたり、ILCの建設が現実となった場合、同推進室だけで関連事業をこなすのは事実上困難。一言に「国際学術研究都市に向けたまちづくり」といっても、農業を含めた産業部門や都市計画担当部門、教育部門など庁内の既存部署が関与しなければならない場面は数多くある。
 同推進室以外の若手職員による「ILC計画応援チーム」はあるものの、各部署が独自にILCを意識した事業を計画し実行していく上では、確かな組織体制を構築していく必要があるという。同推進室の及川健室長は「各部署にどんどんILCを意識した事業をやってもらうためにも、全体を取り仕切る組織を構築するなどして体制を整えることが必要」と話す。
 同推進室は小沢市長を筆頭とするILC関連施設の視察を30日から実施。及川室長は「KEKなど最先端の研究現場を見たことがない職員は多い。ILCを実現しようとする現場や、先進例に触れることで、それぞれの部署が果たすべき役割や可能な事業を考えるきっかけとしてもらいたい」と視察目的を説明する。
 初日はILC関連装置の開発研究が進められているKEKを訪問。2日目は東京大学「柏の葉キャンパス」などがある千葉県柏市に足を運び、公・民・学の連携によるまちづくりの様子を視察する。
 21人参加するが、小沢市長は1日目のKEKのみ参加する。
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