人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC見据え 医療通訳者(奥州市国際交流協が養成へ研修)

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tanko 2014-10-15 10:00
 海外来訪者や外国人市民の救急医療対応をスムーズに行える環境整備を目指そうと、市国際交流協会(佐藤剛会長)は全5回の日程で医療通訳者研修会をスタートさせた。国際交流事業で訪れた人が体調不良を訴えた事例を踏まえ、国際リニアコライダー(ILC)実現に伴う地域の国際化を見据えた取り組み。初回の11日は市民ら29人が通訳者としての基本的な注意点などを学んだ。来年2月14日の最終講義で実施する試験に合格した受講者は、同協会の医療通訳者として登録される。


 医療通訳は滞在の長短にかかわらず、緊急的な医療処置を必要とする外国人来訪者や外国人市民と、医師など医療機関側との間に入りコミュニケーション面を支援する役割を担う。
 同協会は、ILC実現に伴う地域社会の国際化に対応しようと取り組んでいる。医療面のサポート体制も重要事項の一つと位置付け、市の補助を受けて通訳者の養成研修を企画した。
 初回は29人が受講し、このうち15人が海外出身者。多文化医療サービス研究会の西村明夫代表を講師に招き、医療通訳者として特に必要な知識や心構えを習得した。
 医療通訳者は単に外国語が堪能なだけでは務まらない。他者の健康や暮らしといったプライバシーに踏み込むため、知り得た情報は決して口外しないほか、患者である外国人の出身国の文化や信仰している宗教の戒律などにも十分な理解が必要。保険制度といった事務的な手続きはもとより、患者と医師との関係に対する認識も国によって異なることも念頭に対応しなければならない。
 同協会は、医療通訳が実際に活躍する場面として突発的または緊急性の高い症状の事案発生を想定しており、まずは胆江地区の救急医療の中核を担う県立胆沢病院(松本登院長)と協力体制を築いていく方針。その上で、市当局を交えながら開業医を含めた医療機関との医療通訳システムの構築を検討していきたいという。

写真=市国際交流協会がスタートさせた医療通訳研修会
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