人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

多様な関連性想像して(岩手県首席ILC推進監の佐々木氏、水沢日本外交協で講演)

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tanko 2014-10-4 9:30
 岩手県の首席ILC推進監を兼務する県南広域振興局副局長の佐々木淳氏は2日夜、水沢区内のホテルで開かれた水沢日本外交協会(亀卦川富夫代表)主催の講演会で、ILCと地域のかかわりについて持論を展開。「ILCと自分たちの暮らしや仕事が関連することは何か、ぜひ想像してほしい」と呼び掛けた。
 佐々木氏はILCの概要や科学的意義については簡単に解説し、地域や産業、教育面への効果に重点を置いて話を進めた。
 ILCに関する各種部品を地元から調達することで、地域企業の活躍の場が生まれることはこれまでも言われているが「それだけではない」と佐々木氏。研究施設のメンテナンスや研究者の生活サービス、見学者への対応などに関して、さまざまなビジネスが必要になることを紹介した。
 農業分野を一例にしながら「産直などを通じて地場産の新鮮な食材を提供することも考えられる。よい食材、おいしいものに対して反応が良ければ、世界中にその情報が伝わる。外国への販路拡大を進めようとする際にも、身近な場所に外国人がいるので市場調査も容易だ」と説明した。
 また、最先端科学が用いられるILCと平和思想を礎とする平泉文化遺産、自然の美しさと厳しさを目の当たりにできる三陸海岸の3要素を結び付けることで、「世界の子どもたちに誇れる教育拠点になるのでは」とも主張した。
 「岩手はILCというアドバンテージ(優位性)を持っている。『科学の研究施設だから』『最先端の技術が必要だから』といって距離を置かず、自分自身の仕事や生活との関連性をぜひ想像してほしい」と呼び掛けた。
写真=「ILCがもたらす多様な可能性を想像してほしい」と訴える佐々木淳氏
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