人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

地域の魅力生かそう(水沢青年会議所が、市のILC担当と意見交換)

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tanko 2014-9-13 11:30
 国際リニアコライダー(ILC)を見据えた地域づくりについて、水沢青年会議所(水沢JC、千田將智理事長)と若手の市担当職員が意見を交わす会合が11日夜、水沢区東町の水沢商工会館5階中ホールで開かれた。参加者は、国際都市を担う人材の育成や地元企業とILCとの関わりについて議論。新規のハード、ソフト事業だけにとらわれず、地域の魅力を生かした国際研究都市を築いていくべきだなどの声が上がった。
 水沢JCでは、ILCに関連した学習会や視察活動などを展開してきた。行政、学術、民間の垣根を越えた連携が必要との観点から、まちづくりや地元企業の関わりについて同世代同士で意見を交わす場を設けようと、今回の会合を企画。市ILC推進室所属職員と若手市職員による「ILC計画応援チーム」のメンバーら計12人、水沢JC会員約40人が意見を交わした。
 取り上げたテーマは人材育成と企業経営。4つのグループに分かれ議論を交わし、集約した意見や提言を発表した。
 教育関係では「家庭、地域、行政、学校とが連携して子どものうちから英語に親しむ環境が必要」「英語寺子屋みたいなものができないか」といった意見が出された。
 企業経営については、中小企業が多い地域実情を受け「専門性が高く、すでに大手が参画しているILC本体の研究設備に地元企業が関わるのは難しいのでは」「研究に直接関連することより、インフラ整備や生活関連ビジネスの面で関わったほうが、取っ掛かりやすい」との声も。「大学の出先機関のようなものを設置し、研究者と地元企業のパイプ役を果たしてくれたら、地元企業の参入はスムーズにいくのでは」とする意見もあった。
 このほか、地域づくり全般については「外国人ばかりでなく、他地域に住む日本人が訪れることも予想される。新たに何かを作るのではなく、今ある魅力や資源を生かすことが重要ではないか」との提言も出された。
 千田理事長は「ILCを迎える上で、まずは地域の人たちが地元の魅力はどこにあるか気づくことが重要ではないかと思う。外国人研究者やその家族がストレスなく過ごせる最低限の環境整備は必要だが、ゼロから何かの施設をつくろうとせず、地域にある資源やその土地の文化を生かすことが大切ではないか」と話している。
 
写真=ILC誘致を見据え人材育成や企業経営について意見を交わす水沢JC会員と若手市職員ら
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