人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC関連の国際会議あすから(水沢)

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tanko 2014-9-5 11:10
 国際リニアコライダー(ILC)に関連した国際会議「ILDミーティング2014」は6日から、水沢区東町の水沢グランドホテルなどで繰り広げられる。日本のほか欧米など10カ国余りから、素粒子物理学者ら約80人が9日まで滞在。会場周辺の水沢駅通りの商店などには、歓迎のポスターが掲示されるなど、受け入れの準備も進められている。
 「ILD」とは、ILCで行われる素粒子物理学実験に使用される大型測定器の名称。ILCには、電子と陽電子の衝突現象を精密にとらえる測定器が2台設置されるが、ILDはそのうちの1台。日本を含む32カ国、約700人が開発に携わっている。高さ約16m、長さ約14m、重さは1万4000t。ILCが実現した際、測定器は地下トンネルの中央に設けられる実験ホールと呼ばれる空間に設置する。
 研究者の一部は5日から水沢区内に滞在。初日の6日は奥州、一関両市を視察する。会議自体が本格化するのは7日から。会議の対応窓口となっている東北大学によると、これまで進めてきた測定器の設計について、完成に向けてさらに検討することが主なテーマになるという。
 市は歓迎のポスターを制作し、会場周辺の商店などに掲示。また、市国際交流協会(佐藤剛会長)も、関係者が宿泊するホテルに英語ボランティアによる案内カウンターを設置するなど、研究者の滞在をサポートする準備を進めている。
 奥州市のほか一関市も、ILC関連の国際会議会場となっている。一関では8月27日から同29日まで、ILCの粒子衝突実験で使用する「陽電子」の発生装置に関する協議が行われたが、今月4日から6日までは、施設設計などを担う組織の会合が開かれる。

写真=水沢駅通りの商店などに掲示されている「ILDミーティング」の歓迎ポスター
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