人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

若田光一さん奥州でミッション報告(ILC誘致関係者、ISS船長としてのリーダー像にも関心寄せる)

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tanko 2014-7-10 13:10
日本人で初めて国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務めた宇宙飛行士・若田光一さん(50)を招いた「ミッション報告会」が8月16日、市文化会館(Zホール)で開かれることになった。同月30日に開催される「いわて銀河フェスタ2014」のプレイベント。同フェスタでは国際リニアコライダー(ILC)関連の展示も予定していることから、主催関係者らは「国際プロジェクトの先進例であるISSで、どのようにリーダーシップを発揮したのかも話してもらえたら」と願っている。
(児玉直人)

 同報告会は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開催地を募る形で実施。全国73の団体から応募があり、国立天文台や奥州市、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターで構成する「銀河フェスタ2014実行委員会」など8団体が選ばれた。東北での開催は奥州市のみとなっている。
 銀河フェスは、8月30日に水沢区星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所で開催。小惑星探査や太陽系の形成などをテーマに繰り広げるが、そのプレイベントに若田さんのミッション報告会を位置付けた。
 若田さんは1963年さいたま市出身。九州大学大学院修了後、日本航空に入社し航空機の整備や機体構造技術などを担当した。
 92年に宇宙飛行士候補に選ばれ、96年米スペースシャトルに初搭乗。これまで4回、宇宙に滞在してきたが、前回と前々回はISSに長期滞在している。
 特に昨年11月から約半年間に及ぶ長期滞在では、終盤の3月9日から5月13日まで、日本人で初めてISS船長を務めた。作業の進行管理から乗組員の健康状態把握に至るまで、ISSの運用全般にかかわる現場指揮権、管理責任を持つ重職をこなした。
 イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長は、北上山地への誘致が期待されるILC計画に絡め「特殊な環境に長期滞在し、日本人がたった一人という状況下で、文化が異なる国々の乗組員をまとめるには、相当のリーダーシップや協調性が求められただろう。ISSと同様、ILCも国際プロジェクトとして推進される計画の事業。どのようにすれば外国人と上手に仕事をこなし、リーダーシップを発揮できるのか、聞いてみたい」と話している。
 聴講手続きの方法などは、後日発表する。

写真=奥州市を訪れミッション報告をすることになった宇宙飛行士の若田光一さん((C)JAXA/GCTC)
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