人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

悦三郎氏の遺志脈々と(水沢日本外交協会 設立30周年)

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tanko 2014-5-18 10:50
 国際情勢を中心とした講演会事業を繰り広げてきた水沢日本外交協会(亀卦川富夫会長)は今年、設立30周年を迎えた。17日には100回目となる記念講演会が市文化会館(Zホール)で開かれ、市民ら約200人が渡辺利夫・拓殖大学総長の講演に耳を傾けた。

 同協会は一般社団法人日本外交協会(池浦泰宏理事長)の地方支部的な位置付けで、1984(昭和59)年に発足した。
 日本外交協会は、「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄(尾崎咢堂)の指導の下、戦後間もない1947年に民主外交協会として設立。国際社会に対する知識や外交感覚を養ってもらおうと、講演や出版活動などを展開してきた。
 1974年、水沢出身の政治家、故・椎名悦三郎氏が会長に就任し日本外交協会に改称。その後、椎名氏が水沢に帰郷した際、当時の水沢青年会議所の会員らに「国際社会を学ぶような機会を設けるべきだ」と提言し、水沢日本外交協会が設立された。
 初回の講演会は1984年3月20日、水沢出身で現共同通信社国際戦略本部幹事の山口光氏を講師に迎えて開催。その後、現役政治家やメディア関係者、地元首長、大学教授ら多彩な顔ぶれを招いた。
 講演内容も国政から地域行政、学術など多岐に及んだ。「その時々の話題や時事問題に沿った講師や演題をお願いしている」と亀卦川会長。北朝鮮による拉致問題の国民的関心の高まりを受け、北朝鮮情勢に詳しい重村智計・早稲田大学教授を招いたこともある。
 最近では国際リニアコライダー(ILC)誘致に関連し、素粒子研究者や天文学者らによる講演も開催。基本的には会員向けの小規模な講演が多いが、節目の記念講演などでは一般市民にも公開している。
 100回の節目となる講演では、拓殖大学の渡辺利夫総長を講師に迎えた。中国とベトナム、フィリピンが南シナ海を舞台に繰り広げている領有権争い、日中韓との間の領土問題など緊張感高まる昨今の東アジア情勢などを話題に取り上げた。
 亀卦川会長は「今後も身近な話題から世界情勢も含め、地域や日本がどう歩むべきか、じっくり考えられるような講演会を企画していきたい」と話す。
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