人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC候補地の様子知って 海外向けにPR動画(県や市)

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tanko 2014-4-12 9:50
 県や市は、国際リニアコライダー(ILC)の候補地である北上山地の周辺地域をPRする動画を相次ぎ制作。インターネット動画サイト「You Tube」で公開している。ILC建設が正式決定した場合、国内外から多くの研究者、技術者の中長期滞在が予想される。東北や岩手の生活の様子、文化などを知らない外国人も多いとみられることから「動画を見てもらい、将来安心して赴任してもらいたい」と、担当者らは願いを込めている。
(児玉直人)


 これまでもILCに関係する動画は存在。ネット上などで公開されてきたが、主に研究内容や施設概要を紹介するものや、国内候補地一本化に先駆け、各候補地の地元誘致団体が制作したものが主流だった。
 昨年夏、国内候補地に北上山地が選ばれたが、ILC建設に正式なゴーサインが出れば、工事の段階から技術者や研究者が現地周辺に滞在すると言われている。海外から訪れる人は家族連れで赴任するため、候補地周辺の生活環境などは特に気になる要素だ。
 日本や東北に足を運んだことがない研究者らにも、候補地周辺の雰囲気を感じ取ってもらいたいと、県や市は生活環境や文化などを紹介するPR動画を相次ぎ制作。一部はすでに公開されている。
 県は「Cool 北上」のタイトルで観光や生活、教育などをテーマにした4動画を制作。それぞれ日本語、英語、中国語、フランス語に対応した内容を用意した。
 一方、市は市国際交流協会(佐藤剛会長)と、インターナショナルILCサポート委員会(ビル・ルイス委員長)との共同でシリーズ動画「Oshu for you」を制作。現在、3作目まで公開している。
 市の動画は、同サポート委に所属する外国人市民の考えや視点を尊重し、取り上げたいテーマや紹介したい施設などを選んでいる。
 最新版は「レジャー」がテーマ。胆沢区のひめかゆスキー場と温泉を紹介している。案内役の外国人市民は、冬季五輪の日本選手団用に製造されたジャケット(注※)を着用し登場。同区内の縫製工場で作られた旨を説明するなど、高い技術を持った企業が候補地周辺に点在していることを同時にアピールしている。
 撮影や編集を担当している市ILC推進室の亀井帝(あきら)主任(35)は「ILCに関係する研究者が、いずれこの地域に住むかもしれない。北上山地と言われても分からない人も多いと思うので、動画を見てもらい好印象を持ってもらえたら」と話す。
 外国人向けのほかにも、県が制作した子ども向け解説動画もこのほど公開された。人形劇によって進められる内容で、宮沢賢治をモデルにした先生が、2人の子どもにILCで分かることなどを解説する。
 県制作の動画は、県公式サイト右下「プロジェクト」欄にある「国際リニアコライダーを東北に」を選択。表示された項目一覧の中から見たい動画を選ぶ。市の動画は、検索サイトを利用し「奥州市ILCウエブサイト」を表示。左側に表示されるメニュー「Oshu for you」を選択する。

写真=ひめかゆスキー場の様子を紹介する外国人市民。地元の縫製工場が手がけた五輪選手用のジャケットを着用し、ものづくり企業が数多く立地していることもアピール(市制作動画「Oshu for you」から)

※注…実際にはレプリカとして作られたものを着用し撮影。
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