人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

現職・小沢昌記氏が再選(奥州市長選挙)

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tanko 2014-3-10 12:40
 任期満了に伴う奥州市長選は9日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の小沢昌記氏(55)=無所属=が3万7932票を獲得、新人の小野寺孝喜氏(66)=同=を7948票差で振り切り、再選を果たした。小沢氏は財政健全化に向けた行財政改革や協働のまちづくり施策の推進、市政継続などを訴え、大票田の都市部を中心に浸透。市政の刷新を掲げ、旧町村部の厚い支持を集めた小野寺氏の猛追を退けた。市議選の投開票も同日行われ、新人7氏を含む議員28氏が決まった。
 奥州市誕生後、3度目の市長選。投票率は67.73%で、今回選同様、現新の一騎打ちだった前回選(77.34%)を9.6ポイント下回った。
 小沢氏は昨年12月27日、小野寺氏に先立ち立候補を表明。「財政健全化と、自立と自律の協働を政策の両輪とする」と主張し、公約にはILC(国際リニアコライダー)の誘致や農業振興、少子高齢化対策などを掲げた。
 あいさつ回りやミニ集会、街頭演説などを重ね、現職の知名度も背景に着実に浸透。地区後援会は水沢、胆沢に各14支部、江刺に10支部を構築し、一連の医療改革プラン策定に伴う“逆風”で前回選に比べ手薄になった前沢、衣川両区の後援体制を補った。
 小野寺氏は、告示まで1カ月を切った2月10日に出馬を表明。医療改革プランや行財政改革の全面見直し、総合支所の機能強化による全市の活性化などを訴え、現職との対決姿勢を鮮明にした。地元前沢区や衣川区で圧倒的な支持を集め、激しい追い上げをみせたが、出馬表明の出遅れを取り戻せなかった。

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【基本情報】
 ※奥州市(おうしゅうし) ……岩手県南部の胆江2市町を形成する市で、旧水沢市、旧江刺市、旧前沢町、旧胆沢町、旧衣川村の5市町村が合併し2006年2月20日に誕生した。周囲は金ケ崎町、一関市、平泉町、北上市、住田町、花巻市、遠野市、西和賀町、秋田県東成瀬村に接する。人口は123,566人(2014年2月28日現在)。
 中央を北上川が流れ、川の西側は胆沢(いさわ)郡、東側は江刺(えさし)郡とされていたことから、双方の頭文字を取り奥州市と金ケ崎町の2市町は「胆江(たんこう)地方」と呼ばれている。
 古くから農畜産業が盛んであるとともに、南部鉄器や岩谷堂箪笥などの伝統工芸も息づく。かつては、県南の商都といわれるほど水沢駅周辺や江刺区岩谷堂の中心市街地は活気を帯びていたが、車社会の到来と郊外への大型店進出などにより衰退の一途をたどる。
 財政健全化に向けた行財政改革、人口減少、高齢化社会を見据えた地域振興策などが主な市政課題となっている。
 ILC建設候補地の北上山地は、江刺区東部の中山間地域に位置。東北新幹線・水沢江刺駅から車で15分程度でたどり着く。

 ※奥州市長選・市議選 ……任期満了に伴い3月2日告示。新人で元市健康福祉部長の小野寺孝喜(おのでら・こうき)氏と、現職で2期目を目指す小沢昌記(おざわ・まさき)氏が立候補した。ILC計画に関しては両候補とも誘致に積極的に関わる姿勢を打ち出していた。
 市議選は市長選と同日告示、同日投開票。定数28に対し32氏が立候補した。ILCに関しては市長選2候補と同様、選挙戦を通じ誘致実現を主張する候補者も見受けられた。
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