人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC普及へ弾みに(水沢で講師養成講座)

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tanko 2014-2-28 9:30
 素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の理解と普及の推進役となる講師の養成講座が26日、水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(大江昌嗣館長)で開かれた。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の藤本順平氏が「自然のもともとの原理を科学で正しく知ることが大切。何のために科学をやるのか伝えてほしい」と呼び掛けた。
 市が主催。KEKの講師派遣事業「KEKキャラバン」にも位置付けられた。
 市は4月以降、市内の中学2年生全員を対象としたILCの出前授業を予定。若手の有志市職員によるILC応援チームも発足するなど、ILC計画を市民に理解してもらう場面が今まで以上に増えることが予想される。ILCの概要だけでなく、中学生に講演する上でのポイントもつかんでもらおうと藤本氏を招いた。
 この日はILC応援チームに参加している市職員をはじめ、ILC計画に関心がある一般市民ら約40人が出席。藤本氏は実際に中学生向けの講演会で使用しているスライドを用いながら、講義の順序立てなどを解説した。
 藤本氏は中学生に向けて講演する際、「何のために科学をやっているのか」という点を特に大切にしながら話を進めるという。「ILCの最大の目的は科学で、普段は見えない自然の原理を知ること。自然を正しく知ることで、生活に役立つ技術への応用が生まれる。人間が今まで生き延びることができたのも、科学による支えがあったからこそ」と強調した。
写真=ILC講師養成講座で科学の意義などを語る藤本順平氏
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