人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC調査は3000万円(新年度岩手県予算案)

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tanko 2014-2-13 18:50
 岩手県は12日、2014年度一般会計当初予算案を発表した。東日本大震災による津波で被災した沿岸地域のがれき処理完了に伴い、歳入歳出の総額は過去最大規模だった2013年度当初より11.7%少ない1兆167億円となった。「本格復興推進予算」と位置付け、沿岸被災地では災害に強いまちづくりを展開。さらに復興後の未来を見据えた長期的な事業の一つとして、国際リニアコライダー(ILC)誘致に係る研究調査費に3000万円を計上した。県南広域振興局管内は、新規学卒者の早期離職防止対策など若者の雇用改善策などに力を注ぐ。同予算案は18日に招集する県議会2月定例会に上程し、審議される。

 震災対応分の予算は3813億円で、2013年度当初比26.1%の大幅減。一般会計全体に占める割合も2013年度当初の44.8%から37.5%になった。
 2014年度は県の第2期復興実施計画の初年度。被災者の生活・住宅再建や災害に強いまちづくりなど、本格的な沿岸被災地の復興への移行を意識した予算配分とした。
 また、復興後を見据えた岩手全体の発展を意識し、戦略的な経費を確保。その一つとして、江刺区東部を含む北上山地が建設候補地となっているILCに関して、プロジェクト研究調査事業費3000万円が計上された。同事業費は2013年度も3400万円計上されているが、新年度は新たに加速器関連産業への地元企業参入の可能性を探る。
 震災対応分を除いた通常分予算は6353億9300万円。2013年度当初比2億3200万円減で、ほぼ前年並みとなった。
 歳入のうち自主財源は2479億6900万円で、県税や基金からの繰入金が増え、同比0.4%の微増。依存財源は県債発行額や地方交付税の減少などにより、3874億2500万円(同比0.3%減)となった。自主財源の割合は39.0%で、同比0.1ポイント上昇した。
 歳出は、義務的経費が3194億1700万円(同比0.5%増)。投資的経費が700億4000万円で、同比0.2%減となった。
 義務的経費の割合は50.3%で同比0.3ポイント上昇。内訳をみると、借金の返済に充てる公債費が1323億8300万円で、依然として高い水準にある。
 投資的経費のほとんどを占める普通建設事業費は、630億1200万円(同比1.0%減)となっている。
 胆江2市町などが管轄の県南広域振興局では▽県南広域圏ものづくり力強化対策事業(600万円)▽世界遺産平泉魅力向上・誘客拡大事業(2200万円)▽県南広域圏「食」の戦略的産業育成事業(600万円)▽新規学卒者ミスマッチ解消モデル事業(1100万円)――を盛り込んだ。
 「ミスマッチ解消――」は、新規高卒者など、若者を対象とした雇用対策。新卒者と企業側とのミスマッチが引き起こす早期離職を防止し、若者の地元定着を図る。
 達増拓也知事は12日の会見で、「本格復興期間ということで、被災者の生活を支えながら岩手全体が復興の先を見据え、未来へ向かえるような事業を盛り込んだ」と説明。ILCについては「これまでは計画自体を知ってもらうことに軸足を置いていたが、だいぶ周知が図られている。今後は、地域はどう変わるべきなのかなど、より具体的なビジョンを共有していくことに軸足は移っていくだろう」と話していた。
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