岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。

広報スタッフが視察 周知へアイデア示す(奥州市など候補地周辺)

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tanko 2014-2-5 12:20
 国際リニアコライダー(ILC)などの広報事務を担当している国内外のスタッフ3人が4日、水沢区星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所(川口則幸所長)などを視察した。一行は同観測所敷地内の奥州宇宙遊学館で、地元のILC誘致関係者らと懇談。国際会議やシンポジウムを北上山地周辺で開催し、研究者らに候補地周辺の様子を直接見てもらう機会にできるといったアイデアも示された。(児玉直人)

 視察に訪れたのはバーバラ・ワームベインさん(ドイツ電子シンクロトロン研究所)、ペイン・ロワイヤドゥジュさん(フランス国立核物理素粒子物理研究所)、高橋理佳さん(高エネルギー加速器研究機構)。各国を代表する物理研究施設の広報担当者でもある3人は、ILCなど直線衝突型加速器を利用した研究事業を周知する「LC(リニアコライダー)コミュニケーター」を務めている。
 3人は3日に一関市や気仙沼市を視察し、4日は同観測所などを訪問。敷地内の天文観測用アンテナやスーパーコンピューターなどを見学したほか、宇宙遊学館では奥州、一関両市のILC誘致関係者らと懇談した。
 視察全体を振り返り、ワームベインさんは「誘致を求める看板などを目にし、ILCを迎えたいという情熱が感じられた」と笑顔で話した。
 だが、言葉の壁で不安になる場面もあった。3人が宿泊した一関市内のホテルで、建物内に煙が充満するトラブルが発生。大事には至らなかったが、ロワイヤドゥジュさんは「館内の緊急放送が日本語だけで非常に焦った。慌てた口調で話していたので、緊急事態であることは認識できたが、日本人の高橋さんと一緒だからよかったが……」と打ち明けた。
 地域の様子をがらりと変えるような対応はしなくてもよい、と前置きしながら「こうした基本的で重要な情報に関しては、外国語で伝えることを考慮した方がいい」と述べた。
 このほか、ILC誘致に関するパンフレットについて3人は「日本や岩手を知らない人にとって、そもそも何を意味する写真かが分からないし、小さい写真だとなおさら。デザインも隅から隅まで文字と写真で埋める傾向にあるが、欧米人は余白の取り方など“間合いの美学”を求める。日本人向けに作ったパンフレットの文章を英訳しただけでは伝わらない」などと指摘した。
 世界中の研究施設の広報担当者らは年2回、一堂に集まり会議を開催しているという。高橋さんは、このような国内外の関係者が集まる会合やILC関連の国際シンポジウムなどを北上山地周辺で開催すれば、地域の様子をより多くの外国人研究者や関係者に伝えることが可能だと主張。「広報担当者の会議をこの地域で開催できれば、日本の候補地のやる気が伝わると思う」と話していた。
写真=ILC誘致関係者と懇談するバーバラ・ワームベインさん、ペリン・ロワイヤドゥジュさん、高橋理佳さん(左から)……奥州宇宙遊学館
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