人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

研究都市形成の糸口に (本県誘致関係者ら、千葉県柏市に事例学ぶ)

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tanko 2014-1-19 14:20
 国際リニアコライダー(ILC)の実現に向けた国際学術研究都市の形成を考える講演会は17日、盛岡市内で開かれた。県や奥州、盛岡、一関各市のILC誘致関係者約50人が出席。国際学術研究都市や次世代環境都市を推進する、千葉県柏市の「柏の葉国際キャンパスタウン」のまちづくりを学び、ILCを核とした岩手型の都市づくりの方向性を探った。
 柏市企画部参事の奥山勤也氏、同市企画部企画調整課副参事の染谷康則氏、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)副センター長の三牧浩也氏が、柏の葉国際キャンパスタウンの取り組みを説明した。
 柏の葉地域は、秋葉原―つくば間を結ぶ私鉄「つくばエクスプレス」沿線に位置。大学や公的研究機関、企業などが集積する好条件を生かし、公(千葉県、柏市)、民(企業、市民)、学(東大、千葉大)が協働で先端的な都市づくりを進めている。2008年にタウン構想を策定。2011年には国が進める「環境未来都市」「地域活性化総合特区」の指定を受けた。
 UDCKは、まちづくりの企画・調整の拠点として機能。大学や行政、民間事業者から専任スタッフが集まり、フォーラムの開催や構想のフォローアップ調査、市民向け体験イベントの企画など構想全体を統括している。
 三牧氏は「ポイントは公・民・学の連携。皆が学び、考え、互いを尊重して取り組むから、これからの街の姿が描ける」と強調。「具体的で明確な目標を共有し、多様なプロジェクトをつないでいくことが秘訣」と語った。
 一方で「市民参画の種はたくさんまいたが、市民や地域をベースとした循環、自律への道は、まだ半ば」と話し、市民や民間企業を巻き込んだ継続的な取り組みや、組織的なまちづくり運営体制の確立などを課題に挙げた。
 北上山地周辺へのILC誘致が実現すれば、海外から数千人の研究者とその家族が集まると予測され、新産業創出や未来型の都市づくりのチャンスも広がる。県の大平尚・政策推進室長兼首席ILC推進監は「地元市民も含めてILC誘致後のまちづくりを考えるきっかけにしたい。UDCKもモデルの柱の一つになる」と話した。
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