人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国の早期意思表明を 隣県連携強化も要請(岩手県議会特別委)

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tanko 2014-1-17 10:30
 岩手県議会の産業・観光振興調査特別委員会(福井せいじ委員長、委員11人)は16日、県議会第3委員会室で開かれ、国際リニアコライダー(ILC)について、これまでの経過と今後の動向について県担当職員から説明を受けた。委員からは、一刻も早い国の意思表示や宮城県など隣県との連携強化を望む声が相次いだ。
 ILC誘致を担当する県政策推進室の千葉彰ILC推進監が、昨年8月の国内候補地決定以降の動きや今後の流れについて説明。国際研究所設置に伴う、海外からの研究者やその家族の受け入れ規模は1500世帯、2500〜3500人の規模になるとの見通しを示した。
 千葉推進監は「CERN(欧州原子核研究機構)の年齢構成をみても若い世代が多く、配偶者と子供を連れて移住してくるので教育設備や医療などは重要になるだろう」としながら、すでに地域に暮らしている外国人市民の声を生かすことも必要になると述べた。県は昨年7月に「ILC庁内ワーキンググループ」を設置しており、国際化対応や地元産業界とのかかわりなどについて検討をさらに進めていく。
 質疑で嵯峨壱朗氏(久慈選挙区)は「岩手、東北で盛り上がっているが『国はまだ日本にILCを誘致するとは決めてない』とも聞く。具体的にどうアピールし、国を動かせばよいか」、郷右近浩氏(奥州選挙区)は「学費が高額なインターナショナルスクールだけで(子弟教育が)対応しきれるか。個人的には公立の学校でも対応可能な面があるのではないか」と述べ、それぞれ見解を求めた。
 千葉推進監は「知事を先頭に政府や経済界への働き掛けをしている。多額の予算がかかる問題なので、国民全体から理解を得なくてはいけない」「公立の学校の中でインターナショナルスクールに近いような教育を受けるというのも一つの案。さまざまな選択肢の中から良いものを選べるような形にできないかなど、検討していく必要がある」と述べた。
 このほか、宮城県との連携をさらに強化していくよう求める意見も。工藤勝子氏(遠野選挙区)は「北上山地に決定したことで、どこか気の緩みみたいなものがないか心配。宮城をはじめ東北全体が一緒になって強力な動きを示してほしい」と訴えた。
(児玉直人)
写真=ILC計画の動向について説明があった県議会の特別委
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