人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国際都市への課題探る(奥州、一関、気仙沼3市連絡会議)

投稿者 : 
tanko 2013-12-26 13:20
 国際リニアコライダー(ILC)実現後の国際都市形成に向けた課題などを探ろうと、奥州、一関、気仙沼の3市による連絡会議が25日、奥州市役所本庁5階会議室で開かれた。米国出身で水沢区福原在住のビル・ルイスさん(45)を招き、外国人が不安に思うことや、困惑する点などをアドバイスしてもらい、今後のまちづくりの参考にした。

 ILC建設ルート予定地に位置する3市は、情報共有と連携を図るため、事務レベルの連絡会議を設置。この日は2回目の会合。ルイスさんと、奥州市国際交流協会事務局員の藤波大吾さん(31)を招いた。
 ルイスさんは、県内の外国人市民で結成するインターナショナルILCサポート委員会の委員長を務める。ILC実現によって、多数の外国人市民の中長期滞在が想定されるため、奥州市や県に対し、ILC誘致に向け必要な対策を外国人市民の観点から提言している。
 ビルさんは「私が来日したときよりも、生活しやすくなってきている」としながらも、「初めて来る人にとって困る点はまだある」と指摘。日本や地域独特の礼儀や習慣、さまざまな制度などがその1例だという。「町内会という仕組み自体が知られていない。しっかり説明がないと『会費だけ取られて、届けられる印刷物や情報は日本語だけだ』という不満になってしまう」と述べた。
 このほか、交通規則の違いや携帯電話の契約スタイルが大きく異なるなど、不便さや疑問を感じる事柄は多々ある。また、地域内での話し合いで解決できるものから、国や大企業を巻き込んだ対策が必要なものまであり、対策は複雑多岐に及ぶ。
 ビルさんは「外国人も日本人も共に生活しやすくなるよう努力したい。今後は経済界や国への働きかけも行いたい」としながら、「こちらからの提言ばかりではなく、地域の外国人にやってほしいこと、望むことがあればいつでも声をかけてほしい」と呼び掛けていた。
(児玉直人)
写真=国際都市形成に必要な点などを説明するビル・ルイスさん(奥州市役所本庁)
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/212

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動