人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC実現後・・・生活全般「国際化」を(奥州などの外国人市民が達増知事に提言)

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tanko 2013-11-1 14:10
 奥州市などに在住する外国人市民で組織するインターナショナルILCサポート委員会(ビル・ルイス委員長、9人)は30日、国際リニアコライダー(ILC)誘致実現後の国際化対応などに関する提言を達増拓也知事に提出した。県立大にILC関連分野の学部新設を求めるほか、外国人研究者とその家族らのために多言語の標識設置、町内会・自治会の情報提供など、生活全般について本県の「国際化」を求めた。
 同日はルイス委員長(米国出身)と委員の遠野ペルリタさん(フィリピン出身)、美野マークさん(カナダ出身)、事務局のある同市国際交流会関係者らが県庁を訪問。提言書を手交後、懇談した。
 教育分野については▽県立大による科学・技術関連学部、自然科学関連学部の開設▽日本語を学べるインターナショナルスクールの地元小学校への組み込み、部分的・全体的に単位互換可能な高校設置▽外国人学生が日本の学校に入学でき、日本語学習がきる制度確立――などを提案した。
 研究者らと家族が県内で快適に生活する上では、多言語による情報提供が必要であることも強調している。研究者や技術者は英語で話せるが、英語圏以外の国の家族が一緒に住む可能性もあることから、配慮を求めている。具体的には上下水道、ごみ収集など公共サービスに関するガイドブックの作成、医療機関の受診や銀行利用、温泉入浴のマナーなど多岐にわたる。
 生活や地域社会とのコミュニケーションなどについては▽儀礼、慣習などについての説明・支援▽無料の公共施設の情報提供▽祭り、地域イベントへの参加――などを挙げた。買い物では大きなサイズの衣類・靴を販売する店舗設置なども求めている。
 水沢区で21年間暮らしているルイス委員長(45)写真=達増拓也知事へ提言するルイス委員長(右)ら は「教育面では家族が子どもと一緒に来るので、その対応が必要だ」と主張。県立大の学部新設については「岩手がILCに関心を持っていることが、研究者らに伝えられる」と説いた。
 達増知事は「生活経験や体験に基づき大事な内容が示されており、あらためて気付いたこともある。教育は本格的な態勢を作る必要があり、県立大の位置付けも話し合って決めたい」と応えた。
(盛岡タイムス配信)
写真=達増拓也知事へ提言するルイス委員長(右)ら
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