人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

世界一の研究できる場に (独マインツ大の斎藤武彦教授、伊手小=江刺=でILC授業)

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tanko 2013-10-26 9:40
 来日中のドイツ・マインツ大学の斎藤武彦教授(42)は25日、市内の2小学校で国際リニアコライダー(ILC)をテーマに特別授業を行った。「ILCができたら、岩手は世界一の科学研究ができる場所になる」などと話し、次代を担う子どもたちにメッセージを送った。
 震災支援団体SAVE IWATE(寺井良夫理事長)が主催。県内21校で授業した6月に続き、2度目の開催。今回は県内の小中学校13校を会場とした。
 江刺区の伊手小学校(百々正博校長、児童72人)では5、6年生34人が授業を受けた。斎藤教授は笑いを交えながら、宇宙の広さや誕生について分かりやすく説いた。
 地球と同じく太陽系の星の一つ、火星に行くにはロケットで約半年かかり、太陽系の外までは約30年かかると斎藤教授。太陽系を含む星の集まり「銀河系」は1千億の星があり、宇宙にはこのような銀河がさらに1千億あると説明すると、子どもたちは「気が遠くなるほど広い!」などと驚いた。
 斎藤教授は「宇宙は今も広がり続けているが、その始まりは小さな小さな粒にすぎなかった。その粒はすごく大きなエネルギーが詰まっていて、大爆発して原子などが生まれて星になった」と説明。そうした仕組みを解き明かした理由として、加速器による実験で宇宙が始まる瞬間に近いものを再現したことを挙げた。
 「宇宙の始まりには、まだ謎が多い。それを解明するのがILC。日本にILCができるならば、その候補地はここ。これができれば、岩手は世界一の科学研究ができる場所になる。岩手ってすげぇ!ってことになる」と語った。
 同日、斎藤教授は市役所に小沢昌記市長を訪ねたほか、市国際交流協会員らとも会談した。
(宮本升平)
写真=斎藤武彦教授(左)の話に聴き入る伊手小の児童
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