人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

北上山地選定が濃厚 世界唯一の建設候補地に

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tanko 2013-8-23 5:10
 素粒子物理学研究施設「国際リニアコライダー(ILC)」の実現に向け、世界唯一となる建設候補地が本県南部の北上山地になるとの見方が濃厚になった。同山地は活断層が無く、良好かつ広範囲の花こう岩岩盤帯が広がっており、研究者らは早い段階から着目。選定組織の委員全員が一致し最終結論に至った状況から、「北上山地に決めた可能性は高い」という関係者もいる。22日は北上山地に一本化したとの一部報道もあったが、地元自治体のILC担当職員は「あくまで正式発表を待ちたい」との姿勢だ。選定組織による結果発表は、23日午前9時半から東京大学で行われる。

 ILC計画をめぐっては今年6月、国内外の物理学者らで構成する組織「リニアコライダー・コラボレーション」(LCC)が本格稼働。ILCの国際設計などを担当する。
 今までのILCの姿は、架空の場所をイメージしてデザインしていたが、今後は場所を特定し、LCCによってより具体的な設計が進められる。ここで避けて通れないのが、複数ある候補地を1カ所に絞り込む作業だ。
 ILC候補地は世界にも数カ所あったが、経済事情や過去の国際プロジェクトでの失敗などを理由に立ち消え。日本の北上山地と脊振山地(九州)の2カ所が最後まで残っていた。
 LCCの本格稼働時期を見据え、国内の研究者で組織するILC戦略会議(議長=山下了東京大准教授)は今年1月、選定評価の実施母体となるILC立地評価会議(共同議長=山本均東北大教授・川越清以九州大教授、委員8人)を設置。技術的観点と社会環境的観点から評価を行い、今月17日、委員全員の一致で最終結論を出し、評価書署名も完了させた。
 一連の選定作業の流れは今月20日、同評価会議が開いた報道機関への事前説明の場で明らかになったが、中でもキーワードとなったのが「委員全員一致の最終結論」だ。
 ILCは安定した地盤に建設することが絶対条件だが、北上山地の南部に広がる花こう岩岩盤帯の質の高さに、研究者らは早い段階から着目。昨年11月から5月にかけ実施した地質調査でも、良質な岩盤であることが証明されている。これまでの北上山地の地盤に対する評価など、さまざまな経緯を踏まえ「全員一致ならば北上山地に決めた可能性が高い」と確信する誘致関係者は少なくなかった。
 さらに22日には、脊振山地は活断層の影響が懸念されるとして北上山地に絞り込んだことや、研究者側が九州の誘致関係者に東北に絞り込んだ旨を伝えたとの一部報道もあり、北上山地決定の色合いが一気に増した。
 ただ、県や奥州市のILC担当職員は「さまざまな情報は流れているが、23日の正式発表の時まで待ちたい」との姿勢だ。奥州市の小沢昌記市長は、胆江日日新聞社の取材に対し「有力筋ではないが、23日の発表で北上山地になるとの情報は聞いている」と答えた。
 ILC戦略会議などが開く23日の会見後には、今後のILCの国際設計を担当するLCCの幹部会議が同大学で開かれる。選定された国内候補地が、そのまま世界に一つだけの建設候補地として位置付けられる予定だ。

写真=北上山地の選定が濃厚との情報が流れる中、正式発表の時を待つ市ILC推進室の職員ら
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