人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

北上山地に建設可能(東北大が地質調査結果を公表)

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tanko 2013-6-24 5:40
 東北大学(里見進総長)は23日、江刺区内などで実施していた北上山地の地質調査結果を地元に公表し、国際リニアコライダー(ILC)の建設に適していることを説明した。7月下旬の国内候補地一本化を控え、建設可能な環境であることが科学的に証明されたことに、同日、江刺区の伊手地区センターで報告を受けた住民からは「ぜひ実現を」と期待する声が相次いだ。調査結果は、国内候補地の絞り込みを担当する研究者組織「ILC戦略会議」への提出資料として活用される。


 同調査はILC国内誘致の中心的役割を果たしている高エネルギー加速器研究機構(KEK、鈴木厚人機構長)の委託を受け、昨年11月から5月にかけ実施。ILCの施設規模が最大となる全長50kmを想定し、▽素粒子の衝突現象を捉える装置が設置される中心地点▽標高が低く地表からILCトンネルまでの深度が浅い川沿い地点▽花こう岩地盤同士のつなぎ目となる地点――を重点的に調べた。江刺区では米里地区の人首川沿いなどで行われた。
 伊手地区センターでの報告会には、地元住民を中心に約30人が出席。調査を担当した東北大学大学院理学研究科物理専攻の佐貫智行准教授が、ボーリング掘削などの調査内容と、それによって得られる結果の意味などについて分かりやすく説明した。
 調査の結果、地盤の風化を受けやすいとみられていた標高の低い川沿い地点でも十分に硬い岩盤であること、岩盤の割れ目も少なく、周辺地殻からの圧力による変形も起きないほど丈夫な岩盤であることが判明した。
 佐貫准教授は「地質学専門の土木業者の人も、頬ずりしたいくらいの岩盤だと言うほど良質。いずれの調査からも、ILCの建設は可能だと言える」と強調。参加者から「硬いと逆に工事の遅れなどにつながらないか」との質問もあったが、「その硬さに対応する工法が採用されるだろう」と回答した。
 質問とは別に「世界的な研究施設なので、ぜひ(北上山地に)実現してほしい」「国、県、市町村そして住民が一体となって歓迎できるよう取り組んでいければ」という声も相次いだ。
 佐貫准教授は「地元住民の皆さんの調査への協力には感謝している。また、応援や期待の声は本当にありがたい。北上山地の地質は、調査をやればやるほど良い結果が出てくる。何とかこちらに決めてほしいという思いでいっぱいだ」と話していた。
 会場には、今回の調査によって作られたILC建設想定エリアの立体航空写真も用意され、住民の関心を集めた。
(児玉直人)
写真=ILC建設想定エリアの立体航空写真に、興味深く見入る住民ら(伊手地区センター)
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