人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

斎藤氏(独マインツ 大学教授)が講演 26日から市内10校

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tanko 2013-6-24 5:30
 ドイツ・ヘルムホルツ重イオン科学研究所の研究グループリーダーで、同国マインツ大学教授の斎藤武彦氏(42)=原子核構造物理学=による特別授業が、26日から7月5日にかけ、奥州市内10カ所の小中高校で行われる。北上山地への誘致建設が期待される国際リニアコライダー(ILC)の概要や地域社会への貢献の可能性などについて分かりやすく解説。同5日には奥州宇宙遊学館で一般市民向けの講演会も予定している。
 神奈川県茅ケ崎市出身の斎藤氏は筑波大学大学院を経て、デンマーク・コペンハーゲン大学で原子核構造物理学のPhD(博士号に相当)学位を取得。デンマークやアメリカで研究生活を送り、2001(平成13)年からドイツに移住、ヘルムホルム重イオン科学研究所研究グループリーダー、マインツ大学教授などを務めている。
 斎藤氏の研究分野はILCとは直接関係がなく、誘致にも携わっていなかった。しかし、世界の物理学研究の中心になり得るILCの存在は、震災で被災した東北の子どもたちのためにもなると考え、誘致実現に協力。4月に小沢昌記奥州市長ら本県のILC誘致関係者が欧州合同原子核研究機構(CERN)を視察した際にもドイツ国内で一行と会談し、意見交換している。
 今回の学校訪問は、県ILC推進協議会(元持勝利会長)や斎藤氏の学校訪問授業をサポートしている被災地支援の一般社団法人「SAVE IWATE」などが主催。奥州市内の小中高校10校以外にも、一関市や久慈市など11校を訪れるほか、29日に盛岡市内で開かれる県ILC推進協の県民集会でも講演する。
 斎藤氏は科学的な意義のみにとどまらず、地域社会にどのような効果をもたらすか、ドイツの国際研究機関を例に説明。人材育成の観点から、本県における理系大学の重要性などについても触れる。
 奥州宇宙遊学館での一般講演は7月5日午後3時から。問い合わせは市ILC推進室(電話24・2111)へ。
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