人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

満場の市民 熱意アピール(東大の山下氏招き講演会)

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tanko 2013-6-22 10:40
 国際リニアコライダー(ILC)誘致の第一線で活躍する山下了を招いたILC計画講演会は21日、水沢区の市文化会館(Zホール)で開かれた。市民ら約1000人が大ホールを埋め尽くし、北上山地誘致実現へ熱意をアピールした。

 一般社団法人国際経済政策調査会(高橋佑理事長)が主催。山下氏は東京大学素粒子物理国際研究センターの准教授で、ILC国内候補地の一本化作業などを進める研究者組織「ILC戦略会議」の議長を務めている。国内候補地は北上山地か北九州・背振山地のいずれかに絞り込まれる見通しで、来月末を予定している公表を前にILC計画の意義などをあらためて市民に発信しようと企画された。
 冒頭、山下氏は満場の市民を前に「(岩手、九州ということなく)オールジャパンということでお話させていただく」と前置きし、ILCがもたらす成果などを語った。
 「ILCは世界各国が共同で企画し、世界が参画して建設、世界中の人が共に研究する本当の意味での国際的研究所」と述べ、ILCが日本初の本格的な国際研究施設になると指摘。日本建設への欧米の期待が高いことも紹介しながら「日本が苦手としてきた国際的リーダーシップを取る時」と力を込めた。
 昨年12月のILC計画書の完成で、国内の産学官連携によるバックアップ態勢が強化されていることにも触れ、「7月末に国内候補が一本化する。その後はオールジャパン体制をつくり上げ、後押しできるかが大切」と実現へのポイントを話した。
 主催地を代表し、小沢昌記市長は「この大ホールいっぱいに集まった市民の熱意が、山下先生に伝わるはず。スイスのCERNが建設後顴年経過しても活用されているように、ILCは一世紀にわたるような世界的な研究機関になるだろう」と期待を寄せた。
 会場では、一般市民に理解を深めてもらおうと、いわてILC加速器科学推進会議作製の読本「ILCを東北に」と、高エネルギー加速器研究機構(KEK)製作の「宇宙をつくる加速器『国際リニアコライダー』がやってくる!?」の2冊が来場者に配布された。
写真=市民ら約1000人が会場を埋め尽くした
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