人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

よくある疑問に対応(奥州市が専門家解説動画を配信)

投稿者 : 
tanko 2013-6-18 5:50
 奥州市ILC推進室は、国際リニアコライダー(ILC)計画に関し、住民が抱くと思われる疑問や不安の声に対応するため、専門家による解説動画を市の「ILCウェブサイト」で配信している。「電力は足りるのか」など、七つの疑問について取り上げている。
 この動画は、今月1日に開かれた岩手大学開学記念講演会を収録したもの。ILC計画に長年携わってきた同大学客員教授の吉岡正和氏が、さまざまな疑問に答えた場面を集約。許可を得てこのほど公開した。
 このうち「電力は足りるのか?」「核廃棄物の処分場になるのではないか?」という質問は、東日本大震災に伴う火力発電所被害や、福島第1原発事故関連の問題を受け、よく寄せられる質問だという。
 吉岡氏は、電力設備は夏のピーク需要期に合わせて造られていることを示し「つくば市などにある既存の加速器実験施設は夏の3カ月間は止め、メンテナンスしている。夏の暑い時に無理やり動かせば、冷却効率も悪い。ILCもピーク需要期を外して稼働するので、皆さんに迷惑をかけるようなことは一切ない。ILCのために新たに発電所を造る必要もない」と説明している。
 核廃棄物処理場への転用という不安については「ものすごく考えにくい」と断言。「ILCは国際プロジェクト。100カ国以上もの国が参加し、それぞれが(素粒子研究のために)お金を持ち寄る。そのような施設を目的外の事に使うことは社会学的に考えてもできないし、技術的にみても、その構造は全然違う」と強調した。
 市ILC推進室の及川健室長は「同じ内容の事柄を回答するにしても、行政職員が伝え聞いたことを元に説明するのと、内容を熟知した専門家が直接話すのとでは、どうしても説得力が違う。市民の皆さんが抱くILC計画への疑問や不安に対しても、きちんと答えていきたい」と話している。
 動画は、市のILCウェブサイト( http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/index.html )トップページの左下のメニュー「ILC関連Q&A」内にある。
写真=ILC計画への疑問や不安に対応するため配信している動画
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