人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

KEK講師が研究概要説明(金ケ崎で講演会)

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tanko 2013-6-16 5:40
 金ケ崎町主催の「第2回ILC講演会」は15日、町中央生涯教育センターで開かれた。町民ら30人余りが来場。高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所の大森恒彦講師(56)が語るILC(国際リニアコライダー)の原理や実現によって期待される効果について、熱心に聴き入った。
 講演に先立ち、高橋由一町長は「ヒッグス粒子の発見で、宇宙の謎を解くのに一歩前進した。次の一歩に必要なのがILC。金ケ崎は建設候補地の北上山地の隣町。完成後には、研究学園都市を造る一翼を担えればと思う」と意欲をみせた。
 大森講師は「国際リニアコライダーがひらく世界―宇宙をつかまえる」と題して、ILCの役割などを語った。
 ILCは物質の成り立ちを調べる物理学の実験施設であることを示し、「物質をつくり上げている最も小さな粒である素粒子を高速でぶつけ合うことで、その変化をみるもの」と説明。宇宙の誕生(ビッグバン)前は素粒子だけの世界で、その後に原子が生まれたという。
 「原子がさまざまに組み合わさって物質をつくり上げ、最初の星が生まれたのがビッグバンから数億年後。それから今の状況になるまでに(ビッグバンから)約137億年たっているといわれる」とし、「ILCは137億年前の宇宙誕生をもう一度再現してみるもの。つまりは宇宙をつかまえることになる」と語った。
(宮本升平)
写真=ILCの仕組みや役割を話す大森恒彦講師
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