人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

高齢者講座でILC概要講演(財政影響の有無に質問も)

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tanko 2013-6-14 8:40
 奥州市水沢区の後藤伯記念公民館を会場に開設している高齢者向け教養講座「立生(りゅうせい)大学」で13日、国際リニアコライダー(ILC)に関する講演会が行われた。奥州市ILC推進室の職員が施設概要や期待される経済効果などについて説明。出席者からは教育環境の整備や、市財政への影響の有無などについての質問があった。
 「ILCって何? ILCができると何かが変わるの?」と題し、同推進室の千葉雄飛主任が解説。ILC誘致で想定される経済効果や地域の変化、施設の安全性などについて説明した。
 受講者からは「人口が増えるのはありがたいが、いろいろな施設を建設することで、市財政の負担が増すばかりだと思う。本当に奥州市のためになることか」といった疑問も投げ掛けられた。
 千葉主任は「(ILCに付随する施設の整備は)公的支出をなるべく抑え、民間投資を多く活用することが検討されている」と説明した。同推進室によると約8000億円とされるILC建設コストは世界各国からの出資でまかなわれる。加速器本体や研究設備の製造や建設に、県や市町村レベルの支出が求められることはないという。
 「もし1、2年で研究が終わったらどうするか」との質問には「先進例である、CERN(スイスの欧州合同原子核研究機構)は間もなく設置され60年になろうとしているが、いまだにいろいろな研究が続けられている。ILCにおける研究が1、2年で終わることは考えていない」と答えた。
写真=ILC計画の説明を受ける立生大学の受講者たち
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