人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

“先輩”外国人市民 頼もしい活躍ぶり(水沢区在住 ルイスさん 研究者ツアーに同行)

投稿者 : 
tanko 2013-6-11 5:00
 東北大が9日に実施した素粒子物理の外国人研究者ツアーに、奥州市水沢区福吉町在住の英語講師ビル・ルイスさん(44)=米ジョージア州出身=が同行。国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据え、研究者から寄せられた生活環境などの質問に丁寧に回答するなど、日本に住む外国人市民の“先輩”として、これまでに培ってきた経験や知識を発揮。誘致関係者も、頼もしさをあらためて実感している。

 20年以上水沢に住んでいるルイスさん。今年3月、奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)によって立ち上げられた「インターナショナル“ILC”サポート委員会」の委員長に就任した。東北大からツアーへの協力依頼を受けていた同市ILC推進室は、研究者とのコミュニケーションをより円滑に進めるためルイスさんに同行を要請した。
 来訪した研究者は、加速器装置を使った実験をもとに研究を進めている専門家。ILCの建設や設計には直接関与しない。しかし、ILCが誕生すればそこが世界の素粒子研究の中心地となる。今後、北上山地周辺地域が自分たちが住む場所になるかもしれないことから、生活面に関する質問が多く寄せられた。
 「人口がどれくらいで、電力は十分に確保できるのか。空港や鉄道などのアクセスはどのようなものがあるか聞かれた」とルイスさん。中には「地元の人たちは(ILCに)反対していないか」という質問もあったという。ルイスさんは「日本に長く住んでいる私が対応したので、彼らも安心していろいろなことを気軽に聞いてくれたと思う」と話していた。
 ルイスさんとツアーに同行した同推進室の及川健室長は「研究や施設概要については、主催した東北大の先生たちが英語で十分説明できる。しかし、地域の様子や暮らしに関することになると、地元の人間でなければなかなか回答できない。その辺の質問に適切に答えてくれるルイスさんのような外国人市民の存在は、非常に力強い」と感謝していた。
(児玉直人)
写真=外国人研究者らの質問などに答えるビル・ルイスさん(中央)(一関市東山町)

◇国際都市形成見据えた意見交換会開催(13日)
 奥州市国際交流協会では、13日午後1時半から奥州宇宙遊学館で「ILC誘致とまちづくり」と題したパネルトークを開催。ルイスさんのほか、県立大総合政策学部の吉野英岐教授、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が、外国人受け入れに伴う住宅や公共サービスに関する課題について意見を交わす。
 参加申し込みは同協会(電話22-6111)へ。
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