人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

脱炭素社会へ本腰、温室ガス排出量を可視化(金ケ崎町)

投稿者 : 
tanko 2022-11-5 10:30

写真=締結式で合意書を取り交わした金ケ崎町の高橋寛寿町長(右)と岩手銀行の岩山徹頭取(左)ら

 金ケ崎町は4日、脱炭素社会の実現に向け、岩手銀行(本店盛岡市、岩山徹頭取)、ゼロボード(本社東京都、渡慶次道隆代表取締役)との間で基本合意書を締結した。クラウドサービスを利用した温室効果ガス排出量の算定と可視化を進め、環境と経済の好循環を目指した取り組みを発展させていく。
(松川歩基)

 行政が取り組む温室効果ガスの削減活動を可視化することで、町民や町内民間事業者らへの普及啓発を促進。削減計画をより効果的に策定する狙いがある。
 ゼロボードは、排出量を算定・可視化するクラウドサービスを提供しており、昨年月に同銀行が東北で初めて取り扱いを開始。同銀行が調整役を担い、本県では6市町村が導入している。
 町は、25の町営施設と、17の指定管理施設で段階的に活用する考え。
 町や指定管理施設が設備の稼働状況などの情報をインターネット上で入力すると、算定された排出量を確認できる仕組み。情報を一元管理することで、町が課題と捉える町民への周知についても効果が期待されるという。
 早い施設では年内にシステムを導入し、年度内に測定。来年度は測定結果に基づく排出目標算定と計画見直し、2024(令和6)年度以降は継続算定に加え、地球温暖化対策実行計画の策定に生かしていく。
 町はこれまでに、町営25施設を対象に排出量調査を実施。1997(平成9)年の初回調査で年間253万1341kgだった排出量は、2017年には137万6383kgまで削減した。さらに2023年に2017年比で5%削減する目標を掲げている。
 4日、町役場で締結式が行われ、高橋寛寿町長は「町は温室効果ガスの削減のためさまざまな取り組みを行ってきたが、それが町民に効果的に伝わっていなかった。自然と共生するまちづくりを一層進めるためにも、システムを効果的に活用したい」と語った。
 同銀行の岩山頭取は「地球温暖化に対して重要な取り組み。町内の動きに対し、一層力添えしていきたい」とあいさつ。ゼロボードの坂本洋一ビジネス本部長はオンラインで「一人一人が関心を持ち、行動につなげるために情報の可視化は重要。町内の取り組みに役立ててほしい」と話した。
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/1079

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動