偉大な科学者にも失敗や意外な素顔(天文台水沢の本間所長が新著)
- 投稿者 :
- tanko 2022-7-6 10:20

写真=新著『国立天文台教授がおどろいたヤバい科学者図鑑』を手にする本間希樹所長
国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹所長(50)の新著『国立天文台教授がおどろいたヤバい科学者図鑑』が、扶桑社から出版された。科学史、天文学史に名を残す偉人たちの意外な素顔、裏話を紹介。小中学生でも読みやすい構成になっており、本間所長は「宇宙の謎を追究し続けた科学者たちの素顔から、生きる上でのヒントを得てもらえたら」と話している。
同社が発行する本間所長の著書としては、『国立天文台教授が教えるブラックホールってすごいやつ』『宇宙の奇跡を科学する』に続く第3弾。紀元前3世紀の科学者アリスタルコスにはじまり、アインシュタインや旧水沢緯度観測所初代所長の木村栄博士、2002(平成14)年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんら国内外人の科学者や天文学者を取り上げた。それぞれの輝かしい功績とともに、「学生時代に追試を受けさせられた」「学会の論文発表で散々な目に遭った」「子どものころ虫を食べていた」など、仰天エピソードや裏話などをユーモアたっぷりに紹介している。
東京大学在籍中、同大オーケストラでバイオリンを弾いていた本間所長の一押し人物が、天王星発見者のウィリアム・ハーシェル。もともとプロの作曲家で、交響曲を24作品残した実績もある人物だが、1781年に趣味の一環で天体観測をしていたところ天王星を見つけた。これを機に天文学者へと転職し、自作望遠鏡の量産販売にも成功した。同時代を生きた作曲家ハイドンも、ハーシェルが造った大型望遠鏡で宇宙を見ており、後に作曲したオラトリオ「天地創造」に影響を与えたという。
子ども向けの内容のため、漢字には全て読み仮名を振っている。気軽に楽しめるよう、楽しいイラストも随所にちりばめた。
本間所長は「どんな偉人でも完璧なわけではなく、間違ったり他人から厳しく指摘を受けたりすることもあった。それでも大好きな宇宙の謎を解き明かしたいと頑張った彼らの生き方から何か感じてもらえたら」と話している。