人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

まちアート・ILC絵画

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tanko 2022-2-1 10:40

写真1=ILC絵画がラッピングプリントされたパッカー車

 奥州市内をくまなく走り回るごみ収集車やバキュームカー。その中に、地元小学生によるイラストが入っている車両があるのにお気づきだろうか。廃棄物や資源物の収集運搬事業を行う一般社団法人水沢環境公社は2018(平成30)年、創立50周年記念事業として清掃車9台をラッピングプリントした。モチーフは国際リニアコライダー(ILC)。起用されたのは、平成29年度ILC絵画コンクール(県南広域振興局主催)の入賞作品だ。
 電子と陽電子を正面衝突させるための直線型加速器を取り入れている絵が多いようだ。宇宙空間へ伸びていく加速器や岩手の豊かな自然と未来都市を加速器がつなぐ様子など、「未来への希望」や「科学と自然の調和」への思いが感じられる。
 ILC関連の絵画は看板にもなっている。市内中学校の生徒が描いたもので、多くはその学校付近に設置されている。地域の特色を盛り込んでいるのが面白い。
 東水沢中学校は、宇宙の中にたたずむ奥州藤原氏の建物を背景に、アテルイの里の物見やぐらや天文台、南部鉄器などを配置した。衣川中学校は、衣川地域内でよく見られる朱塗りの橋を中央に置き、自然環境と未来都市をつないだ。橋の上で電子と陽電子が衝突する、視覚的にもインパクトのある作品だ。水沢中学校の看板は日高火防祭の「お人形さん」と水沢三偉人を大きく取り上げ、優美さも感じさせるデザインに仕上げている。
 なお、水沢環境公社の高橋透常務理事によると、ラッピング車両は3月末までの運行は決まっているが、その後、模様替えが検討されているという。町で見掛けたら、ぜひじっくりとご覧いただきたい。


写真2=東水沢中生徒による絵画看板(同校前)


写真3=衣川中(右)生徒と江刺南中生徒による絵画看板(江刺藤里地内)


写真4=水沢中生徒による看板(同校前)
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